第二章

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すると、 『ピンポーン』 セラの部屋のドアフォンが鳴った。 セラのマンションは、一階の入り口で部屋を呼び出し、ロックを解除して貰わないと、玄関が開かない仕組みになっている。 だけど今は直接、セラの部屋のドアフォンが鳴らされた。 セラには、恋人の同居人がいる。 だが今日は出張中だ。 みみこには言えずじまいだったが、実は明後日まで帰ってこない。 このマンションの住人以外、直接、部屋のドアフォンを鳴らせる人間はいないはずなのだが……。 不審に思いながらも、セラは、ドアフォンに応えた。 「宅配便です」 ドアフォンの小さなカメラには、お馴染みの宅配便の帽子をかぶった男が映っている。 そういえば、みみこがリューイチの荷物を届けると言っていたっけ。 「ちょっと待ってください」 セラはドアのロックを解除した。
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