その後の彼が会社を辞めない理由

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「…………あれ、比呂斗くん?」 こつんと足音が鳴って顔を振り上げると、見知らぬがっしりした体格の男が立っていた。 「…………何してんの?」 俺よりも年上そうなのに、きょとんと首を傾げる姿は可愛らしくさえあり、体格と似合わぬその姿がユーモラスだった。 「ッ…………千里(せんり)さん…………」 比呂斗が目を見開いてその人を見た。 知り合いか? 部屋まで来るなんて、どういう…………。 そこまで思い至って、ハッとした。 もしかして…………男もいるってことか? 慌てて比呂斗を見ると、茫然としながら比呂斗もこちらを見ていた。 「…………お前、俺の部屋、入ったな?」 「ああ、入ったさ。お前が入って待ってろっていうからッ…………」
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