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「俺、入ってもいいのか?」
「ハ? 何言って…………」
今の騒動で自覚した。
やっぱり比呂斗は…………女といるべきなんじゃないかって。
目をきつく閉じると、眼裏に八木の幸せそうな笑顔が浮かんだ。
最近、ずっと考えていたんだ。
…………俺は、お前に八木のような幸せは運べないって。
「やっぱ、勘違いしてるよな? お前会ったことなかったんだっけ? あいつ…………美佐斗は妹だから」
「…………妹?」
ぽかんと顔を上げると、比呂斗は気まずそうにガシガシと頭をかいていた。
「あんな格好して驚くよな。あいつん家、風呂が壊れた上に千里さん…………美佐斗の旦那だけど、千里さんが出張だって言うから夜はうちに泊まってたんだ」
「ああ…………」
「だから、しばらくお前の家にも行けなくて…………寂しかったか?」
「あ、いや…………」
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