その後の彼が会社を辞めない理由

19/24
209人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「入れとけ」 「え?」 ポカンとする俺からキーケースとカードキーを奪い取ると、ケースのポケットにキーを収めた。 「ほら、入るだろ」 「比呂斗…………」 このキーを俺にくれるってことか。 もしかして、全部わざと…………。 「お前もう、ここにはこれしか入れなくていいんじゃね?」 「え?」 「だから…………」 言葉を探すように俯いて頭をガシガシと掻いた比呂斗は、ケースを俺に押し付けると俺の後頭部を胸に抱いた。 「ここに住んじゃえよ」 「ッ…………」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!