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「比呂斗…………」
「ん、ベッド行こ」
あやすように言われて、俺は力なく顔を上げる。
「ほら、来いよ」
瞳を煌めかせて微笑んだ比呂斗の顔に、頭の芯までぼうっとなる。
差し出されるまま比呂斗の手を取り、そのままベッドに横たえられた。
俺の上でむしり取るようにネクタイを引き抜く比呂斗を見詰めながら、俺は甘い溜め息をつく。
ニヤリと笑って、俺の眼鏡を外すその顔だけで、もうイキそう…………。
「比呂斗、早く…………」
…………完全に。
完全に、予定とは違うけれど。
…………幸せなら何でもいっか。
熱い体温に浮かされながら、俺はようやく覚悟を決めたのだった。
…………Fin
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