その後の彼が会社を辞めない理由

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「私たち、みんなでお祝いにプレゼントを買おうと思ってるんですけど、もし良かったら一緒にいかがですか?」 「そうだな……」 八木は社長の第二秘書。 いわば俺のアシスタントだった。 「俺も何か用意しようと思っていたが、君たちが選んだほうが良いだろう。任せるよ」 「はい」 花のように笑う彼女たちを残して、俺は社長室に入った。 役員フロアは廊下、受付スペースといった共用部、そして役員ごとの秘書室、執務室となっている。 俺は元々社長室に隣接した社長秘書室にいたが、そこには今、八木の席だけ。 俺のデスクは社長室の中にあった。 俺が会議に出ている間に、社長の比呂斗は外出。 僅かな間に散らかった物を片付けながら、自席に戻る。 …………と。 「…………なんだ、これ?」
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