209人が本棚に入れています
本棚に追加
「私たち、みんなでお祝いにプレゼントを買おうと思ってるんですけど、もし良かったら一緒にいかがですか?」
「そうだな……」
八木は社長の第二秘書。
いわば俺のアシスタントだった。
「俺も何か用意しようと思っていたが、君たちが選んだほうが良いだろう。任せるよ」
「はい」
花のように笑う彼女たちを残して、俺は社長室に入った。
役員フロアは廊下、受付スペースといった共用部、そして役員ごとの秘書室、執務室となっている。
俺は元々社長室に隣接した社長秘書室にいたが、そこには今、八木の席だけ。
俺のデスクは社長室の中にあった。
俺が会議に出ている間に、社長の比呂斗は外出。
僅かな間に散らかった物を片付けながら、自席に戻る。
…………と。
「…………なんだ、これ?」
最初のコメントを投稿しよう!