その後の彼が会社を辞めない理由

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「比呂斗? 帰ったの?」 ハッとしてドアを閉めようとしたが遅かった。 「キャッ!!」 長い足を露出した部屋着姿で、髪をバスタオルで拭きながら出て来たのは、見たことのない女だった。 「ッ…………!!」 心臓が止まるかと思った。 慌ててドアを閉めて、踵を返す。 そんな…………まさか…………女がいたなんて。 バクバク打ち鳴らす心臓を抑えつけ、俯いたまま、とにかく帰らなきゃと走り出す。 比呂斗に他に恋人がいるなど、考えたこともなかった。 だって、四六時中一緒にいるのだ。 でも…………。 そこまで考えて俺は首を振る。
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