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そして同じように、隣のコイツと友として過ごせる時間も着実に減っていく。別れの時はすぐ鼻先に突きつけられていた。 「好きな奴も告白しなければ離れて行きはしない……友達は喧嘩しなければ一緒にいられる……そんなのは思い込みに過ぎなかったわけだ」 「どうしたあ?親友、ずいぶんおセンチじゃんかよ。今日は」 「別にどうってことない。ちょっとそんな気分なだけだ」 「そっか。じゃあさ、ちょっちオレに付き合えよ」  そう言って自分の手を取ると、そいつは帰り道とは逆方向の横断歩道を渡りだした。 「おいおい、どこへ連れてく気だ?」  指をさした先は渡ってすぐのコンビニエンスストア。綺麗な公園やら、街を眺め渡せる丘の上やらを期待した俺はどうやらドラマの観すぎであるらしい。どこにでもある何の味気もないコンビニで、友人は最初にコロッケとジュースを手に取った。そのあと、店内をうろうろしながら電子マネーカード、色ペンと次々に商品を手に取り、ポリポリと頭をかきながらレジに持っていく。 自分もポテトと飲み物を棚から拾い上げ後に続いた。 「ワリ、五百円貸してくんない?ちょっち買いすぎた!」 「電子マネーを置いて来ればいいだろ?」 「イヤ帰るついでに買ってきたいんだよ、明日返しに行くからいいだろ?ワリのいいバイトしてるって聞くしぃ」 「……」  渋々1枚だけ硬貨を貸し与え、店を出た。友人はすぐさまコンクリートの段差に腰掛け、コロッケを頬張る。俺は隣に座りながら、ポロリと小言をこぼした。 「行儀が悪いったらないな」 「オカンかよお前。車止めの上で大股開いて座るよかマシだろ?」 「そうだな、それはかんべんしてくれ」  友人が座る側のポテトに予備の楊枝を突き刺し、揚げたてを頬張る。学校帰りともなると腹も減る。空腹を満たす幸福感が少しだけ孤独を紛らわせた。一度に三本を頬張る友人を咎めようとして、その横顔を睨むに留めた。 「大学はもっと近いといいなー」 「いいや、お前なら近くても買い食いはするな」 「アハハ!違いない!」  そう言って笑う友人の顔はまぶしく、とてもこれからいなくなる人間には思えなかった。思いたくなかった、というのが正しかったのかもしれないが、それを認められるほど俺は孤独に強くない。
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