あとがき

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 どーも、佐久彦です。今回は少女漫画みたいな感じのボーイミーツガール。まぁ、もう既に出会っているといえば出会ってるんでボーイメットガールと言い換えることもできるでしょう。  この短篇の作品の特徴として、ほとんどのキャラが名前を明記されていないという点があります。これは、佐久彦が愛着を持ちすぎてそいつらを掘り下げないようにという自戒の意味があります。佐久彦は俗に言う『設定厨』なので、考えだしたら止まらないのです。まぁ、この努力も虚しく、結局掘り下げをしようと考えているので、あまり意味のない足掻きでした。今後も本編では名前はあまり出ません。  さて、この作品についてですが、天狗です。  じゃぁ、「天狗ってどんな妖怪?」って聞かれて皆様は答えられますか? 佐久彦は答えられませんでした。ヴィジュアルに関しては浮かびます。でもどんな能力があるのか、どんな背景を持つ妖怪なのか。そういったことが何一つわからなかったのです。能力も様々。性格も様々で説も様々。日本のあちこちにその伝承が有り、情報が多すぎるためにキャラクターにするときに何をどうすればいいのかわからなくなったのです。同じような妖怪に河童がいます。この妖怪も様々に呼び名があり、住む地域によって全く別のものとして書かれます。山童って知ってます? 毛むくじゃらで山に住む、一つ目の野人。彼は河童が冬になり、山に入った時の姿と言われています。姿別物じゃねーか! という感じでどんな話にするか悩みましたが、天狗も同じくらい難産でした。  最初は小学生の女の子と同級生の男の子の話で、男の子の方が天狗でした。彼は上級生にいじめられ、その過程でいじめっ子たちと共に土砂崩れに巻き込まれます。その時、力を使っていじめっ子たちと一緒に無事助かります。その助かったところを女の子に見られて―――。見られて、どうなるの? 面白い展開を思いつきませんでした。次次。  次に考えたのが女性の独白です。女性が病室にお見舞いに来ると眠ったままの男性がいます。実は彼は天狗で子供の頃事故に巻き込まれそうだった彼女を助けるために力を使い、使いすぎたために意識を失ってずっと眠っているのです。―――暗い。それにありきたり。何より佐久彦自身が面白いと思えない。  というような紆余曲折を経て完成しました。台詞を最後まで使わないと決めてからは一瞬でできた思い出深い作品です。
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