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...チュンチュン
海沿いの岸の上で、夜が明けた。
「ふわー、飯買いに行こ」
一人の青年がそこで目を覚ます。
ふらふらと街の方へ歩き出す。まだ眠いのか目をこする。
「やべ、金持ってねぇや..。」
青年はポケットを探るが何も出てこない。出てくるのはゴミばかり。
「しゃーねぇ、行きたくねぇけどあそこ行くかー。」
そう言って向かったのは街の少し奥の方にある酒場であった。
カランカラン
「あら、レイくんじゃない。」
そう言って声をかけたのは若くして酒場のオーナーであるカレンである。
彼女は21歳という若さでこの酒場を切り盛りしている。
「ああ、なんか食わしてくんない?」
そう言いながら、酒場のカウンターへ座る。
「もう!いくらこの街のエースストライカーだからって無銭飲食ばっかしないでよ!」
そう言いながらもご飯の用意をする。
「しょーがねぇだろ。選手になって稼いだ金全部姉ちゃんに持ってかれちまうんだから。」
ふてくされながらそう言った。そして水を一杯飲み干し
「カレンから姉ちゃんに言ってくれよ。」
不機嫌な様子でカレンに言う。
「言えるわけないでしょ。ミツキは一番の親友なんだから。」
そしてサンドイッチとスクランブルエッグが出てきた。
「なんだよそれー。いただきまーす。」
よほどお腹が空いていたのか、一気に食べる。途中でむせたりもしたがなんとか完食した。
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