第1章

11/39
前へ
/39ページ
次へ
「彼氏となんかあった?」 ルイは疲れを隠せない様子で聞いてきた。 「ちょっとだけ気まずい感じになってて。 それより、 ルイさん なんだかすごく疲れてるみたい?」 ルイはここ最近、疲労感がやたら顔に出る。 もちろん、こうやって息抜きしている時なんだけど。 「オレもちょっと色々あって。 なんだか熟睡できてなくて」 ルイは目頭をぎゅっと指で押さえる。 色々って なんだろう。 「深雪、こっち来て」 ルイが両手を広げて私を見る。 私はそっとそばに近寄っていった。 ルイは座ったまま 私の腰を引き寄せ 微妙なところに顔をうずめた。 「深雪、 とりあえずお互い、今一緒にいる相手との関係を清算しよう。 深雪が彼氏とすぐ別れられないのも理解出来るし、オレも一緒だから」 オレも一緒。。。。 そうか。 ルイさんにもやっぱりそうゆう女性がいるんだ。 “ゆな“さん。 なんだか 分かっていたけど 胸が苦しい。 「うん」 その後、 またヨシのイジワルで ルイが度々、人妻をマンションに招き入れている事実を 週刊誌で知らされる。 “美人人妻と半同棲生活俳優本橋ルイの元マネージャー“ 記事によると、 相手の女性が結婚する前から本橋ルイとは関係があったという。 結構、親密な仲なんだ。 「だから言ったろ。本橋ルイは深雪とちょっと遊びたいだけなんだよ。 深入りしたら傷つくだけだぞ」 ヨシの勝ち誇ったような顔。 ヨシとケンカしたあと、ヨシは数週間ウチに来る事はなかったけど ひとりぼっちに慣れてきた頃に ひょっこり週刊誌を手に握りしめて現れた。 私を打ちのめしたくてしょうがないらしい。 普段週刊誌なんて買わないくせに。 でも正直、ルイの専属でいる事に 苦しさを感じてきているのも事実。 専属でそばにいるだけで満足していたのに ルイとキスしてから、 高望みをするようになってしまったんだ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加