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私は週刊誌を食い入るように見ると
ショックで茫然としてしまったけど
高望みしていた自分に叱咤して
やっぱり私はただの専属でいようと心に決めた。
『清算してから』
清算しても、ルイと一緒になれるかは分からない。
だけど、
ヨシから卒業しなければいけないのは変わらない。
そうルイと約束したから。
だから
「ヨシ、ルイがどんな人でもいいの。
私、ルイを好きなのは変わらないから、
ヨシとはーーー」
終わりにしたいから、鍵を返してーーー
と言おうとした。
ソファに座っていた私は
キッチンの入り口の戸にもたれかかっているヨシを見上げた。
「うるさい!」
ヨシは険しい顔して怒鳴りつける。
顔がコワイ。
「聞き飽きた!
いい加減 目を冷ませよ?!
おまえ、ルイにズタズタにされたいの?
遊ばれて捨てられるぞ」
ヨシの苛立ち溢れる怒りに震えた声が
胸を突き刺す。
いいもん、それでも。
目覚めないよ。
いつまでも、夢見ていたいんだよ。
ヨシは私の気持ちなんて分かりっこない。
涙があとからあとから出てきて
ぐすぐす泣くしかなかった。
顔を膝に突っ伏して
両腕で顔を覆う。
ヨシのため息を吐き出すのが聞こえて
私の前でかがみこんだ。
そして優しい声がした。
「キスしたい」
鼻水まで垂れてきたのに
顔上げられないよ。
それでも
無理矢理 顔を上げさせられて
唇を重ねてきた。
それは
優しい 優しい キスだった。
もう
ヨシには甘えたくないよ。
放っておいてほしいよーーー。
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