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しばらく しょっぱいキスを交わしていたら
テーブルの上に置いてあった俺のスマホが鳴った。
無視して深雪を抱きしめてキスしていると
鳴っては切れて、鳴っては切れてを繰り返す。
「ヨシ、電話出た方がいいんじゃない?」
深雪が唇を離すと、鳴りやまないスマホの方に目をやった。
「ん」
スマホを手に取り、着信を見ると駒井からだった。
なんだろう?
ふだん滅多に電話なんてかけてこないんだけど。
怪訝に思いながら電話の通話ボタンをタップした。
『あ、店長すみません、今大丈夫ですか?』
電話越しの駒井の声は低く暗く響いて耳に入ってきた。
『どうかした?』
『…………』
しばらく沈黙があって
駒井が口を開いた。
『今、河井と一緒にいるんですけど』
そう言われて無意識に腕時計で時刻を確かめる。
23:15分。
この時間にわざわざ河井と一緒にいる事を
電話してくる意図はーーー
『俺、河井と付き合ってるんですけど』
「…………」
なんで
わざわざ報告するんだよ?
そばで河井のすすり泣きする声が聞こえて
なんだかイヤな予感がした。
『たったさっき、河井が店長とシてたっていう話を聞いて』
駒井の怒りを堪えるような声がする。
『店長がムリヤリ強要したらしいじゃないですか』
俺は
驚きのあまり
息をのんだ。
なんでそんな事になってんだ?
『社内恋愛は禁止なのは知っててこの会社入社してますけど
まさか、店長がスタッフに手を出してるなんて
。。。ましてや、俺の彼女に。
マジで幻滅したんすけど。
俺、ここの会社辞めますわ。
河井も辞めさせます。
明日から出勤しないんで。
お世話になりました』
プツーーーー。
一方的に切られた。
マジで
あり得ないだろ。
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