第五話  夏の終わりに

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男は納得と言う様な顔をしていた。 「君が…、確かにだな…」 「にーちゃん!余計なこと言うなよ」 と何やら純が慌てていた。 『にーちゃんって?』 アキが思わず口に出すと、男が話始めた。 「俺は元永晃司、三十二歳、独身、宜しく」 そう言って、アキの手を握った。 アキは握られた手をぼぉーっと見つめていた そして、我に返り、慌てて手を離した。 『私は星川アキです。仕事があるので失礼します』 アキはそう言うと、慌てて店を出て行った。 「アキっ!ちょっと待てよ! コーヒーくらい飲んでいけ…」 と純に声を掛けられたが、アキは答えることもなく、車に乗り、その場を去った。 「アキの奴…、なんか様子がおかしかったな…。まさか…」
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