第五話  夏の終わりに

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百合子の手料理を囲み、昔話に花が咲く。 アキとみらいは話が分からず、ただ、うなづき、食事をする。 「アキとみらいはにーちゃんの事知らないんだよな。 実は…、俺が働いてる店のオーナーはにーちゃんなんだ。 にーちゃんは、高校卒業までこの街に居たんだ。 小さい頃から、俺とにーちゃんは、兄弟の様に仲が良かったんだ」 そう純が懐かしそうに話す。 「アキちゃんは、いつごろこの街に来たんだ ここに来る前は…、たぶん都会で暮らしてたんだろうな。 この街の人とは違う、雰囲気持ってるもんな」 晃司に聞かれたアキだったが、その質問には答える事はなかった…。 そして、この時、一瞬アキが寂しそうな顔をしたのを、晃司は見逃さなかった。
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