20人が本棚に入れています
本棚に追加
同日、桜田の部屋には、ある人が訪れていた。
「優一さん、お久しぶりです」
そう言って、軽く頭を下げたのは、桜田のかつての婚約者のマリエだった。
「マリエさん…、ご無沙汰しています」
マリエは、とてもやつれていた。
桜田と一緒に居た頃の明るく、誇り高い姿は全く感じないほどに…。
「マリエさん、何かあったんですか?」
桜田の問いに、マリエは大粒の涙をこぼした。
そして、マリエはその場に崩れ落ち、桜田は慌ててマリエを支えた。
「マリエさん!大丈夫ですか!」
「優一さん…、父が…」
マリエはそう言って、目を閉じた。
「マリエさん!マリエさん!」
桜田はマリエを抱き上げ、寝室へと運び、ベッドに寝かせた。
マリエの手を握り、社長を思い出していた。
最初のコメントを投稿しよう!