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「ここの夕日は相変わらず綺麗だな」
振り向くと、そこには一人の男が立っていた。
この街では見かけない顔…。
その男は、そう言うと、アキの隣に腰を下ろした。
アキは不思議そうな顔で男を見つめる。
「ガキの頃、ここから見る夕日が凄く好きだったな…。
嫌な事があると、ここにこうして座って、夕日を見てた。
この夕日に、俺はいっつも元気をもらってた」
男はそんなことを語り出した。
アキは何も言わずに、黙って男の話を聞いていた。
「十二年ぶりに戻って来ても、この街は何も変わってなかった…。この綺麗な夕日も…」
男は懐かしそうに話、夕日を見つめている。
この時、アキの中に、何か感じるものがあったが、それが何かは分からなかった…。
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