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アキも夕日を見つめながら、語り始めた。
『この街も人も、とても温かいですね。
そんな所も、きっと変わってないんでしょうね』
思わず、アキの口からこんな言葉が…。
そう…、三年前、この海から始まったのだから…。
アキは頭の中でこんな事を思っていた。
この男はきっと、この街で生まれ、この街で育ったのだろう。
十二年ぶりの里帰りなのだろう…。
「この街も人も、昔から温かいよ。
ここに居ると、心が温かいって感じるんだ」
心が温かい…、その言葉はアキもずっと感じて来たこと。
『分かります。私もそう感じます。
優しくて、温かい、そんな人達ばかりです』
アキがそう言うと、男はアキをじっと見つめていた。
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