第五話  夏の終わりに

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アキも夕日を見つめながら、語り始めた。 『この街も人も、とても温かいですね。 そんな所も、きっと変わってないんでしょうね』 思わず、アキの口からこんな言葉が…。 そう…、三年前、この海から始まったのだから…。 アキは頭の中でこんな事を思っていた。 この男はきっと、この街で生まれ、この街で育ったのだろう。 十二年ぶりの里帰りなのだろう…。 「この街も人も、昔から温かいよ。 ここに居ると、心が温かいって感じるんだ」 心が温かい…、その言葉はアキもずっと感じて来たこと。 『分かります。私もそう感じます。 優しくて、温かい、そんな人達ばかりです』 アキがそう言うと、男はアキをじっと見つめていた。
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