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****************** 「先に言っときますけど」 仕事の接待にと連れ出された、 イタリアンレストランで、 小坂は何故か恨めしい呟きを漏らした。 「俺のせいじゃないですからね」 「何の話だ?」 「ハリネズミが、わざわざ、  防護服を着込むのがいけないんだ」 だから、何の話だ。 「まぁ、とにかく入ってください」 それ以上の説明をする気はないらしい。 肩を落とした状態で入口の扉を押す。 その後に続きながら、 華やかながら和やかなその雰囲気に、 ふと、詰まらない妄想が走る。 ――うちの仔犬が喜びそうだ、と。 「和さん、こっちこっち」 振り払おうとした意識は、 明るい笑顔で走ってきた声に霞んだ。
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