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今度は、デレクが質問した。
「公園までは車で移動を?」
「大抵は家から徒歩で行きますが、背中が痛む時は車を使います。」
デレクが目を丸くして尋ねる。
「痛む背中に耐えて車で移動したあと、わざわざ散歩するんですか?」
ヒュートは微笑して答えた。
「ええ。日課ですから。」
呆気に取られているデレクに代わり、ルイスはヒュートに尋ねた。
「その車は、どこにあるんです?」
ヒュートに案内され、ルイスとデレクは家の隣に併設されたガレージを訪れた。
中にはメルセデスの黒いワンボックスカーが停められている。
「障害者用に改造して貰ったんです。
介助人の手助けは必要ですが、後部座席からスロープが伸びるので、車椅子に乗ったまま乗降可能なんですよ。」
ヒュートは言い、ポケットからキーを取り出してボタンを押す。
電動式の後部ドアが開き、広い車内が露になった。
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