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突然、隣で寝ていたハルが大きく息を吐き出した。
ルイスは、具合が悪くなったのかと思い、慌てて彼の顔を覗き込む。
すると、ハルが目を伏せたまま呟いた。
「…胸が苦しいんだ。」
「病院に行くか?」
ルイスが顔を強張らせて尋ねると、ハルは
「いいや。違うんだよ。」
と笑顔を見せて言った。
「息が出来ないくらい幸せなんだ。
きみに出会えて良かった。」
ルイスは、ハルの背中をそっと撫でる。
そして、込み上げる愛しさを胸に、彼の唇に優しくキスした。
…世の中には、希望もある。
ルイスは『ありがとう、ハル。』と心の中で呟いた。
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