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数年前。人間界に父親と弟を訪ねに来た、吸血鬼の姉弟がいた。
ある公園で、姉が少し目を離した瞬間、何者かに弟は後ろから殴られそのまま誘拐された。
弟を拐ったのは、人間で吸血鬼を研究所や見せ物小屋に売る一味だった。今の時代でも、どこかで起こっている事だ。
少年は一生懸命に、助けを求めたそうだ。涙や声が枯れるほど。拘束はされ、目隠しはされ……。常に恐怖に呑まれてた
少年は翼のある吸血鬼だった。商人達は、もっと高く売れると信じ、少年をなかなか売らなかった
そんななか、商人の一人が少年の体質に気づく。面白いほどに敏感で、反応する体質に。彼らは少年を欲望発散の道具にした
吸血鬼はタフだから多少、激しくても…なんて。少年には地獄だった。暴力が繰り返されるなか約2ヶ月。
少年に血は与えられない。多少、血を飲まなくても吸血鬼は普通の食事で生きられる。個人差はあるが大体1ヶ月に1度の吸血が必要となる
少年に与えられるのは、少々の食事。……足りない。血が足りない。
少年はとうとう、禁断症状に陥った。禁断症状になった少年は、吸血鬼のチカラを最大限に活用し、拘束具を破壊。無我夢中に一味を襲った。
一人も残らず、一滴も残らず。食いつくした。
その後、そのアジトで血まみれになった少年を発見、保護した
「コレが事件について」
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