2人が本棚に入れています
本棚に追加
「……はぁ。一回だけだからな。」
ため息と共に、十夜の白旗があがる。
「十夜っ!」
「いいか。ボクが人間を憎んでいることを忘れるなよ。大人しく、中で見ててアゲルよ。」
十夜の目からは殺意が消えていた
「ミーア、ボクを黙らせたんだから。責任もって、ボクを変えてみせなよ?」
「うん。頑張る!ウチ、頑張るよ!ありがとう!十夜」
十夜の両手を取り、ミーアは涙を流しながら笑顔で答える
「……もう疲れたから、引っ込む。注意しとけよ、もう一人の十夜は。
<ボクの事を知らない><事件の事を知らない><ボクが表に出ているときの記憶は共有されない>
この話もアイツは知らないワケ。ボクは、アイツが表に出ているときの記憶を共有できる。
中で視てるからな。ボクを出したくなったら、……そうだな。
……酔わせろ。アイツの意識があやふやになれば……、干渉して短時間なら乗っ取ることが出来る……。」
次第に目を閉じていく十夜
「もう一度だけ、……人間を……信じてア・ゲ・ル。ミーア、任せたよ?」
ミーアに寄りかかるように、眠る十夜。いつの間にか、羽が消えていた
最初のコメントを投稿しよう!