弱肉強食。.:*:・'°☆

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約50年後――― 「裕作、そろそろジムに行く時間だよ」 「ユリちゃん、待って。僕のお気に入りのタオルが見つからなくて…」 「バッグに入ってるよ。さあて、しっかり鍛えなきゃね。まだまだ町内腕相撲大会で連覇を止められるワケにはいかないよ」 あの頃より少し縮んだ裕作と、大きな体になった裕理子が、今日も仲良く車に乗ったかぁ~。 「あ、トイレにもう一度行ってこようかな?でもめんどくさいなあ」 「いい歳してチビったら最悪だよ。早く行ってきな」 転げるように車から降り、慌てて今締めたばかりの玄関の鍵をガチャガチャと開けているかぁ~。 『かぁ~』 「え?か…勘兵衛?」 振り返った裕作は、ふわりと笑ってから中へと入っていった。 「まったく、まだまだ私の目が黒いうちは、お迎えに来るには早いよ!また今度にしな」 ニヤリと笑う裕理子に、やっぱり勝てそうにないかぁ~。
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