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「いいなあ、じいちゃん。ばあちゃんと何十年もラブラブでさ」
腕相撲大会で連覇を達成した裕理子のお祝いにと、裕作がとった寿司を並べてパーティーが行われている。
「裕典も出会えるよ…。ユリちゃんのような素敵で可憐な女性に」
「可憐…」
目を見開いて裕理子を見る孫の裕典に、裕作はにっこりと笑う。
「やっぱり裕次郎兄貴が一番じいちゃんと似てるなあ。天然なところも含めてさ」
「違うよ、裕太郎。裕次郎は純粋で優しい子なんだよ。裕作はのんびりしているだけだ」
「そうかな?ユリちゃんがそう言うならそうなのかも」
ニコニコしている裕作に『ほらね…』と裕理子は呆れ顔で笑った。
「僕はずっとユリちゃんがいてくれるから、幸せなんだよ。それはずっとこれからも変わらない」
「ふん、こんな太った婆さんにいつまでも“ちゃん”付けできる能天気さが羨ましいよ」
「だって、ユリちゃんはユリちゃんだから。僕はずぅーっと、ユリちゃんが大好きな気持ち、一生変わらないよ」
◇完◇
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