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そんな裕理子も、なかなかの女の子に成長したもんだから、そろそろ思いを寄せる男も出てくるかぁ~。
ある日、裕理子は運動部きってのハンサムな男子に呼び出されたんだかぁ~。
二人は体育館の横へと行き、向かい合う。
「だめぇぇ!」
その男子が裕理子に想いを伝える直前に、裕作がへこへこ走ってきたかぁ~。
「ユリちゃぁぁん、ああっ!」
二人の真ん中で、裕作は派手に転んだんだかぁ~。
涙が出るくらい、どんくさいかぁ~。
「裕作、大丈夫?」
屈んだ裕理子が裕作の手を握り、引っ張り上げるように起こしたんだかぁ~。
「痛っ…痛い…擦りむいちゃった…」
「ホント?あ~あぁ…どこ?」
裕理子は心配そうに眉を寄せ、パンパンと裕作の制服についた土をはたく。
「腕のここのところと手のひらと…」
「あの…」
二人の前の男子が、顔をひきつらせて笑っている。
「君、邪魔しないでもらいたいんだけど…」
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