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「裕作…」
「ユリちゃぁ~ん…僕…僕…」
「もう行ったよ。ほら、もう泣かないの」
ハンカチを渡され、裕作はコクコク頷き涙を拭く。
「まったく…いいところだったのになあ」
「ユ…ユリちゃ…」
「でも、仕方ないか。あの人より裕作を心配しちゃうからさ」
裕理子の笑顔に、裕作は顔を赤らめてまた隠すんだかぁ~。
しっかりするかぁ~。
ここでバシッと男らしく…
「裕作…あんたのことが誰よりも心配だからさ、私のお婿さんにもらってあげる」
「へ?ユリ…ちゃん?」
「ただし、高校は卒業しないと。それに、立派な旦那様になれるっていうならの話」
裕理子…男前過ぎるかぁ~。
「うん…なるよ。だから僕をお婿さんにして」
「いいよ」
照れ臭そうに裕理子は頷く。
「ねえ、ユリちゃん」
「なに?」
「僕、ユリちゃん大好き♪」
「あ……まずはそこからだったな」
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