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歓声が上がった先には改札前の広場の噴水が七色のライトに照らされて、高く高く飛沫が上がる。
「おぉ、あったあった。サンタの格好してこき使われたやつだろ?」
バカばっかりやってたガキの頃。
悪さして見つかって、いつもウチの親父に叱られてたな。
「朝起きたらさ、枕元にスッゲェ欲しかった写真集が置いてあって。あの頃は…マジで航平んとこの親父がサンタだったわ」
昔を懐かしむ俺たちの視線の先の赤やオレンジの光にキラキラ輝く街並みは、幸せだとか愛だとかがピッタリだと思う。
「何の写真集だよ」
「森鷹繭子の『清純からの脱却』だよ」
それは。当時日本中が欲しがった人気アイドルの衝撃的ヌード写真集。
「うぉぉぉ!!すげぇマジ?それって超レアじゃん!今度俺に貸せよ」
「嫌だよ!秀くんジャイアンだもん」
イルミネーションに背を向けて、小突いてくる秀くんをあしらう大翔は昔と変わらない。
婆ちゃんに育てられてた大翔。母親の再婚に反対して、新しい父親に反発しまくってた秀くん。
昔からウチに入り浸っていて、不思議と親も他の兄弟もそれを受け入れていた。
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