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鬼の誤算はここにあった。
沙樹と沢岸あやなが惹かれあっていたこと───
彼女が長い間人間でいられたのは、
沙樹の存在が大きかった。
やがて彼女の身体は薄れていき、そのまま砂のように消えていった。
沙樹は長いことその場に呆然と立ち尽くしていた。
剣と、それを持っていた方角を見つめる。
いつの間にか校舎を囲んでいた。
鬼の気配は消えていた───。
──────動かなければ。
──────足を踏み出さなければ。
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