レクイエム

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沙樹は重い足取りで、でも確かに前へと進み始めた。 途中通り過ぎたクラスの誰もが、 口々に強い風について話している。 突風ともいうべきものだろうか。 窓ガラスが2、3箇所派手に割れていたが 怪我人はいなかったようだ。 前から歩いてくる桜城かなでに気づく。 「少々派手にやってしまったようだ」 彼女は苦笑いを浮かべながらペロッと舌を出す。 しかし彼女なりに苦戦したのだろう───・・・ 彼女の頬や手に擦り傷があった。 「───ありがとう」
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