2人が本棚に入れています
本棚に追加
沙樹は重い足取りで、でも確かに前へと進み始めた。
途中通り過ぎたクラスの誰もが、
口々に強い風について話している。
突風ともいうべきものだろうか。
窓ガラスが2、3箇所派手に割れていたが
怪我人はいなかったようだ。
前から歩いてくる桜城かなでに気づく。
「少々派手にやってしまったようだ」
彼女は苦笑いを浮かべながらペロッと舌を出す。
しかし彼女なりに苦戦したのだろう───・・・
彼女の頬や手に擦り傷があった。
「───ありがとう」
最初のコメントを投稿しよう!