第1章   素直に喜べない一つ目の理由

2/6
前へ
/29ページ
次へ
直也さんの就職先が決まりそうだと、 今日子がこんなに喜んでいる。 そのことだけを考えれば「あぁ、良かった」って思う。 今日子はある日突然ショックを与えられ、 その日から生活が一変し、それに耐え、 今、それを乗り越えようとしている。 そんな今日子が久しぶりに嬉しそうにしている。 そのことには、素直に「良かったな」って感じる。 だけど、そう思う一方で私には 少しばかりの心配が過ぎっていたのである。 あと少し、素直に喜んであげられない、 私の心はそんなふうだったのである。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加