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2時間目が終わってしまった。
残り時間はあと5分。
しかしここで逃げるわけにはいかない。
榛斗はそう心の中で自分に言い聞かせていた。
体育館に行くまでは橘と一緒に行った。
しかし出会うことは無く、各更衣室に分かれた。
このことは時間的に出会わないことは分かっていた。
しかし榛斗のメールでも橘のメールでも何処で出会うかは書かれていなかった。
だから警戒を解くことが出来ない。
警戒しつつも、体操服に着替え終わり、携帯を持ち、殺虫スプレーを長袖の裾で隠しつつ、更衣室を出ようとする。
ドアノブを握ろうと手を伸ばすと、ドアノブが遠ざかっていった。
ドアが開かれたのだ。
ドアの前にはがたいのでかい制服をきた男が立っていた。
そして、がたいのでかい男は榛斗に尋ねた。
「月野榛斗って奴を知らねぇか」
榛斗は、
「それは俺だ」
と答えてしまった。
がたいのでかい男は
「着いて来い」
と一言いい、歩き出す。
外に向かおうとしていた。
榛斗はついていくだけだった。
質問に答えた理由、ついていく理由は決まっているこの男が神山陸人だからである。
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