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東京のごった返した街の中で、
数え切れないビルの大群と、
車と人の大量発生を横目で見ながら、
僕は自分のペースで車を走らせる。
僕は、この道を通るのが好きだった。
平日の午前中、少し混んだ国道は、
ちょっと余所見をする暇があるくらい、
スピードが出せない。
田舎育ちの僕には、
考えられないことだった。
けれど、もともとのろまの僕には、
この街で人々の間に流れる、
恐ろしく早い時間よりも、
これくらいのんじりとした速度の方が、
性に合っていた。
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