『No.1/槙原敬之』

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「随分、さっぱりした装丁なのね」 どうにかアルバムを引っ張り出すと、 彼女はそう言って、手を伸ばした。 「別に田舎だからって、  わけじゃないと思うけど。  大体、どこもこんなもんじゃない?」 僕の反抗を聞き流し、 彼女は興味津々といった瞳で、 1ページずつめくり出した。 彼女の肩越しに僕も覗き込み、 その風景に、懐かしい友人たちとの、 再会を果たしていた。 「ここは、どこ?」 「ん?あぁ、近所の河原だよ。  ジョギングによく使ったんだ」 「そっか、高校球児だったのよね」 「弱小チームだったけどね」
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