『No.1/槙原敬之』

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ジャージ姿の仲間たちが、 河原を背に写っていた。 「夕方、ジョギングをしてるとね、  ちょうど風の具合で、  少し離れたところにある、  チョコレート工場の匂いがするんだ」 「へぇ、すてきね」 彼女はやさしく微笑んだ。 見ている人に幸せを配って歩くような、 柔らかな笑顔で、 次のページをめくっていった。 丁寧に、舐めるように、 ひとつひとつの写真をじっくり見ては、 質問したり、意見を言ったり、 僕たちは短くはない時間を、 アルバム片手に楽しんだ。
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