第4章

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森山香凛(もりやま かりん)22歳 明るく元気な入社一年目の女子社員 坂上専務の秘書をつとめている 150センチと小柄でよく動くがどこか抜けていていわゆるドンクサイ失敗が多い そのキャラクターのせいもあり憎めないので社内のアイドル的存在 色白でぱっちりした目のショートカットの美少女キャラ 交際3ヶ月で営業部の3年先輩反町大夢と婚約 半年後に挙式予定 今日、配布された社内報ににっこりとわらった香凛の笑顔とプロフィールが紹介されている。 たまたま前月取材された新入社員紹介の記事が掲載されていた。 「香凛、かわいく撮れてるじゃん」 同じ秘書課の先輩が声をかける。 いわゆるドジな子、と言う分類をされている香凛は新入社員に似つかわしくないポストにいることや、社内で狙われていた大夢との婚約もやっかまれるよりも祝福されていた。 「ところで、どうなの?伯爵さま」 むしろ、こちらの方に興味津々で数人の同僚が寄ってきた。 「素敵よねー。プラチナブロンド…」 「ほんと。染めたんじゃあの色は出ない!」 「しかもグリーンアイズ…。あー、いいなぁ!」 「くれおおぎ…なんて読むの?」 はぁ… 「くれおおぎるか、だそうです」 「きゃー!ルカだって!かっこいぃー!」 あの、あのね…あの、せんぱい…あの人… 言葉が出てこない。 やっぱり…魔法なんだ… やっぱり…冗談じゃないんだ… やっぱり…ほんとにヴァンパイアなんだ… 「やだ!香凛ちゃん、泣いてる!」 どうしたの!? 同僚たちが慌てる。 「なんかあったの?」 「フィアンセと喧嘩でもした?」 いえ、大夢とは何も… でも、香凛の涙の訳は誰にも話せない… 「大丈夫です」 香凛はにこっ、とわらって元気を見せた。 泣いたって変わらない。 「わたし、仕事頑張ります!」 ドジをしないようにしないと!と言う香凛に周りが同調する。 そうだよ、あんたがドジったらこの会社全部の恥だからね! しっかり頑張れ! 婚約者の大夢と同じ励まされ方をした。 「もしかしたら社運かかってる?」 おどけて笑う香凛に周りの同僚が一斉に頷く。 「当たり前じゃない!あんたの肩にかかってんのよ!」 と、ドンと背中を叩かれた。 1ヶ月、我慢すればいいんだから…
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