第六章 魔 王
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信仰深い年配の家臣は沈痛な面持ちで、彼を見据えた。 「寺を焼き、僧を殺し、皆は恐れて直接申すことは出来ませんが、殿を残虐非道な魔王と影で口々に噂をしております」 その男も怖いのであろう。 恐怖に震えながら、それでも言わずにはいられないという様子で、そう告げた。 「……城を焼いたら英雄で、寺を焼いたら残虐非道となるのか。何が違う」 殿はそう言って冷笑を浮かべた。
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