第六章 魔 王
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殿は肩の力を落とす家臣の背中を眺めながら、小さく息をつき、そっと私を見た。 「比叡山焼き討ちをしてから家臣にまで、鬼のように言われている。 ……そなたも怖いと思うか?」 そう問うた彼に、小さく笑う。 「殿が鬼なら、片割れのわたくしも鬼でございます」 その言葉に、彼は満足そうに微笑んだ。
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