最終章 舞 蝶

34/38
前へ
/252ページ
次へ
もう何度目の春なのだろう? 美しく花びらを散らす桜を見ながら、いつかのことを思い返す。 彼の肩の向こうで舞っていた桜。 それは、美しい蝶のようだった。 そっと花びらに手を伸ばす。 ……私の美しかったこの手も、随分と皺がれた。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5598人が本棚に入れています
本棚に追加