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「うぅ……ふっ……」
辛くて辛くて涙が止まらず、タオルケットを頭から被って身体を抱えるようにして泣き続けていた。
「一夜、すまない。少しやり過ぎた」
グレンは本当に悪いと思ってるみたいで落ち込んでいるのが声からも分かる。
本当は分かってるんだ。グレンは僕に酷いことをしようとしたわけじゃないって。
いつもグレンが傍にいてくれるわけじゃない。グレンは忙しい身で、家に帰って来ない日だってあるから、僕がしっかりコントロールできなければ苦しむのは僕だ。
だからいつもグレンは僕に努力をしろと言ってくれていた。
それなのに僕がいつまでも甘えて欲望のままに欲しがるから、それでグレンは僕に解らせようとあんな強引なことをした。
でも人間としても魔族としても半端な僕は、グレンの謝罪に返事をすることも顔を見ることも出来ずにただ泣くばかり。
「……ジムを呼んでくる」
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