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今日店は休み。仕入れの為に叔父さんは海外へ買い付けに行っている。
いつもじゃないけれど、たまに自ら足を運んで良い品物を見付けに行っていた。
だから朝食を終えた僕は暇で。何をしようかと考えていた時、叔父さんの店の近くに雑貨屋ができたことを思い出した。
帰り道とは逆方向だったからまだ行ったことがなく、特に欲しいものがあるわけじゃないけどたまには散歩がてら見に行くのもいいかと支度を始め、10時過ぎには邸を出ることができた。
これから行けばお昼には十分帰ってこられる。
夏の太陽が燦々と降り注ぐ中、僕は意気揚々と雑貨屋へ向かった。
元々あまり人通りがないこの辺りは割と静かで、蝉の鳴き声と時折犬の鳴き声が聞こえるくらいで人の気配はない。
……ん?
邸から一番近いバス停に差し掛かろうとした時、前方に蹲る人を視界に捉えた。
この暑さの中具合でも悪くなったんじゃないかと思って足早に近付き声を掛ける。
「あの、大丈夫ですか?具合でも悪いんですか?」
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