24人が本棚に入れています
本棚に追加
『行きますよ!!行けばいいんでしょ!!本当はものっそい行きたくないけど!!超行きたくないけど!!うわー行きたくねー!!死にてぇー!!誰か私を殺してくれー優しく殺してくれー!!』
「だから手伝いやしょうかィって言ってんじゃねーか。俺なら一瞬にしてテメーを昇天させてやりますぜィ?但しこれ以上とない苦しみと痛みも与えやすが」
『結構です!!あ、そうだ。沖田さんも山崎さんも暇なんですよね?代わりに洗濯物干しといてもらえませんか?洗濯終わったみたいなんで』
「え、何で俺たちが?」
『いいじゃないですか。山崎さん暇そうな顔してるし、沖田さんだって仕事サボるくらいなら洗濯物干すくらいして少しでも役に立って下さいよ。どうせアンタら普段から何の役にも立ってないんですから』
「頼まれてんのに酷ェ言われようだなァ」
「人に物を頼む態度じゃありませんよね」
『じゃ、私行くんで!!頼みましたよ!!』
どさくさに紛れて二人に仕事を押し付けた私は前掛けを急いで外すと副長室へと目指す。
土方さんがキレてるのはいつものことだけど、あの人時間とか約束とかにうるさいからなぁ…。こりゃ殴られることは間違いないだろう。
『あー今すぐ土方さんの心臓的なものが爆発したら…いいのになぁ』
そんな素敵な妄想をしながら私は重い足取りで副長室へと向かった。
その頃、杏奈の言い付けを守り大人しく洗濯物を干し終えた二人はというと、
「…ふぅ、なんとか終わりましたね隊長。ほとんど俺しかしてませんけど」
「………。」
「あれ?隊長?どうかしました?」
「…俺の袴」
「え?」
眉間に皺を寄せた沖田は、大量の洗濯物の中に混ざり既に山崎により干された今日着るはずであった自分の若草色…だったはずの袴を見つめていた。
その袴は他の洗濯物の色と混ざり既に綺麗な若草色の面影はないほど濁った色へと変貌している。
「…あの女あとでぜってぇーぶっ飛ばす」
また勝手に俺の部屋入りやがったなあのバカ女。
最初のコメントを投稿しよう!