第2話

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他の女中さんに押し付けられるように山積みの汚物(コイツらの洗濯物)を渡されてイライラしてたせいで忘れてたや。 まぁ誰だってこんな汚物触りたくもないもんな。女中の仕事で何が嫌かって聞かれると女中全員が声を揃えて【汚物洗いです】と答えるだろう。そのくらいみんなが嫌がる仕事だ。 そしてここの女中さんたちはベテランさんが多いせいか嫌な仕事への回避力が半端ない。 ほんとお前ら忍びかメタルスライムか?ってくらい汚物からの逃げ足が早いんだよなぁちくしょう。 絶対明日は逃げ切ってやる。…ってオイオイ。今はそんなこと考えてる場合じゃなかった。 『あの山崎さん、つかぬことをお聞きしますけど…もしかして土方さん怒ってました?』 「うん。いつも通りキレまくってたよ」 『うわぁ~行きたくねぇ切実に行きたくねぇ…』 「なに言ってんのさ。早く行かないともっと酷い目にあうよ?今だと4分の3殺しで許してくれるかもしれないし急いだ方がいいよ、ね?」 『それ私ほとんど死んでません?しかも急ぐって何?死に急げってこと?私に死ぬことを急げって言いたいの?』 「何なら今すぐ手伝いやしょうかィ?」 ーシュンッ 『ぅおっ?!危ねっ!!何すんですか!!』 「チッ外したか」 『なに命狙ってきてんだアンタ!!わかりましたよ行きますよ!!行けばいいんでしょーが!!』 急に私目掛けて抜刀した沖田さんの刀をスレスレで避けた。この人はいつだって油断ならないから嫌になる。
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