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悪い事というものは立て続けに起こるものだ。
入学式で椅子をひっくり返した挙句、新しいクラスでも思い切り恥をかいた。
これで今日はもうおなかいっぱいなのに、さらに悪いことは続いた。
みなみは箒で教室を掃きながら考えていた。
さかのぼる事、20分前の出来事だ。
「それじゃあ、今日はこれでする事は終わりだからこの後挨拶をしたら速やかに下校しなさい」
湊斗が出席簿と集めた資料をまとめながら言うと、生徒たちは嬉しそうに帰る準備を始めた。
「っと、その前にだ!!」
湊斗の大きな声にクラスが静かになる。
「今日から教室掃除をさっそく始めてもらう」
生徒達からブーイングが上がった。
「はいはいはい、騒ぐな騒ぐな。 そうだな~、まだ班も何も決まっていないし……」
嫌でもみなみの心臓が高鳴る。
「そうだな、今日は人数も少なくていいだろうし……」
恭一は嬉しそうに微笑みながら言った。
「前から3番目の列の生徒にやってもらおう」
みなみは自分の席を確かめた。
丁度、前から3番目だった。
みなみはジーッと恨めしそうに湊斗を見つめた。
そんな視線に湊斗は気づくはずも無く、そのままホームルームを終えてしまった。
そして、今に至る訳である。
「今日はきっと厄日だな~」
みなみが今日何度ついたか分からないため息を吐くと、後ろから声が掛かった。
「あの……高橋さん、だよね??」
声のする方を振り向くと、髪型がポニーテールな女の子が立っていた。
身長はみなみより10センチ位高い。
そしてかなりお洒落な雰囲気が出ている。
「あ、そうですけど……」
お洒落な雰囲気を出している女子は恥ずかしそうに言う。
「もしよかったらお友達になってもらえない、かな??」
「へっ、ウチと??」
「ダメ、かな??」
みなみは箒を放り投げて女の子の手を握り、ブンブンと上下に振りながら強烈な握手をした。
「もちろん、友達になります!! って言うか、むしろならせて下さいっ!!」
女の子は嬉しそうに微笑むと、自分の名前を言いながらお辞儀をした。
「私は小嶋陽菜と言います。 よかった~っ!! 光成中からここに来たのって、私だけだったんです~!!」
陽菜はニッコリ微笑みながら言った。
陽菜も知り合いがいなくて困っていたらしい。
掃除が終わって箒を片付けながら陽菜が話を振ってきた。
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