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華々しく宣伝され、チケットはソールドアウトのギルティーズにダメ押しをするように、直前に、『ビジュアリズム』の十二月号が発売され、読者達は衝撃を受けた。
清らかな天使のZENN様の隣の、この妖しく美しい堕天使は一体誰なのか。
ZENNの巻頭特集の最後の方に撮影裏話という小さなコラムがあり、撮影の時の格好のまま、マリアがZENNの肩を揉んでいる写真に、マリアとMOONの説明、さらにはインディーズで初めて表紙を飾ったことが書かれていた。
インタビューしたのは河野というベテランの女性ライターで、彼女が持っている別のページのコラムにも、この時のエピソードは取り上げられていた。
表紙の美しさのせいかこの号は売れ行きがよかった。
すぐに買いに行った由真も、何軒も回ってやっと五冊を揃えたほどだった。最終的には売り切れになったという。
とすれば…ギルティーズのチケットを手にしていた人間が、すぐにこの堕天使を見ることができた幸せ者というわけだった。
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