第1章

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「はっ……んっ……なつっ……!」 自分の奥底に隠していた気持ちがジワリと滲み出てくる。 このまま強引に省吾をかっさらいたい感情が膨らむが、それを無理やり押し留めた。 チュル……っと唾液に濡れた唇をなめとって、省吾を窺いみれば少しは落ち着いたようだった。 「……落ち着いたか?」 「……ありがとう、夏輝。」 酸欠から息を吸った顔色が血色良くなって妖しい色気を出している。 男なのに色気ってな……と思いながら、抱き締めていた力を抜いた。 「……自分の気持ちは言ったのか?」 「……言ってない。」 俯いて答えた省吾に溜め息がでる。 そんなに好きなら言えばいいのに!と苛立ちも含めて思う俺はおかしいだろうか?
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