第1章

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「俺らの家は隣同士なんだから、うちに来ればいつでも見れるだろ?」 そう返せば、 「だって夏、東京行くんだろ?」 言われて、ああ──……まぁ……そうか、と納得する。 オギャアとこの世に生を受けて、目も開かないうちから俺と省吾はいつも隣同士でいた。 なんつったって、家ごと隣だしこの歳になると足ものびたからか、玄関開けてホップステップジャンプ♪で省吾んちの玄関まで行ける気がする。 それくらいくっついている。 ずっと一緒だった。 今日までは。 卒業、おめでとう───。 誰に向かってなのか、俺は一人心のなかで呟いた。
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