第1章

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「テレエッチはしないけど、話ぐらいは付き合ってやるよ。」 『イケズだなぁ夏輝は。いいよそれで。 で、何話してくれんの?』 「話題は俺からかよ。しょうがねぇなぁ~……。 じゃあこの間行った合コンの席での面白い話を……。」 『俺の見えない話は嫌だ。』 「ワガママ~!じゃあ何はなせっつーの。」 『俺のこと話してよ。』 「は?」 『いつから俺の事好きだったとか俺のどこが良かったとか?』 「……それを電話で言えと?」 『だって夏輝そばにいねぇじゃん。俺寂しくて消えちゃいそう……。』 (このクソガキ……。) 「そんなのいつからとかわからん。産まれたときからずっと一緒だったのに、境目とかねぇもん。」 『え~!詰まらん!』 「うっさいわ。」 『じゃあさ、俺といてドキドキするときってある?』 そう聞かれて俺は最後に会った日の省吾を思い出していた。
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