《第2部・第1章》

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次の日の土曜日の午後…学校帰りにまた画材店に行ってみた。残念ながら原稿用紙は入荷は何日かかかるとお詫びが書かれていた。 やっぱり藤永さんに頼むしかないのかもしれない。パッと行ってサッと帰れば問題ないよね? 本屋に行き雑誌を眺めた。モデルがかわいい服を着こなしにっこり笑っている。紙面の隅に【スタイリスト…松本】の文字があり、引っ掛かっていた事実がつながった! 『あっ!』 周りが本屋だという事も忘れて私は雑誌を読みながら『えーっ!』と驚きが声になった。ザワザワする店内が静まりかえり、私を見てクスクス笑うお客。 しまった! 雑誌を棚に戻して出ようとした瞬間、学校以外では会いたくない→目だちめ女子2人と会った。 『便利屋でもティーンズ雑誌見るんだぁ~、意外っ』『それにしては地味よねぇ、読む雑誌が違うんじゃないの?(笑)』 『笑っちゃ悪いわよ~(笑)本当の事でも(笑)』 私が立ち読みしていた雑誌を見てたんだ…ーーー。 【便利屋でもティーンズ雑誌見るんだぁ】 【読む雑誌違うんじゃないの?】 ……… 恥ずかしさ・悔しさで私は店を飛び出し…家を目指しひたすら走り、後300㍍ってところで立ち止まり乱れた息をととのえる。 トボトボと坂道を登りもう少しで家が見える場所でミロが待っていた。にゃ~…にゃ~… 私はミロを目指して走り、ミロを抱いてわぁわぁ泣き始めた!少し落ち着いたところで家に入り、ミロにカリカリをあげた。 『おかえり、美和』 『お母さん…ただいま』 『何かあったんでしょ?』ミロが迎えに出ていたら美和は喜ぶかと思い…ミロと一緒に帰りを待っていたという。美和が見え隠れて見ていたという事をお母さんから聞いた 隠せない… 今が言って良い瞬間?
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