4人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
週が明ければまた学校に行かなくちゃいけない。
当たり前じゃない頼まれ掃除当番をやり過ごす放課後が続いた。事情を知ってるお母さんは先生に言いたくて仕方ない様子だけど…言って変わるとは思えず、私が『もう少しもう少し様子を見るから』ってストップをかけてるんだけど…
頼む人達の中の、特に、目だちめ女子らは休み時間何やらバイトの話をしているようだ。
『彼氏の誕生日が近いからバイトしてアクセをプレゼントすんの』
『えーっ、バイトぉ』
『うちの学校バイト禁止じゃなかったじゃん』
『あんたが、働いてる姿想像出来ねぇし』
『想像出来るか出来ないか、一緒にバイトしようよ』『もちろん短期だよね?ずっと…なんて勘弁だからね~』
クラスに聞こえても良いような内緒話じゃない、みたいな大きな声で笑いながら喋ってる。たしかに私も想像出来ないな…
あの2人達が何処をバイトに選んだか、後日私は知る事になる。
とある夕方…帰ってミロにカリカリをあげていた時に玄関のチャイムが鳴った。制服姿のまま出ると藤永さんが立っていた。
『漫研って言ってたから、インクないかと思って』
漫画家ならあるだろうに?と思っていると藤永さんは苦笑しこう言った。
『買ったばかりのインク丸々全部こぼしちゃって、締め切り近いのに買いに行く時間すら惜しくてさ』
『そういう事~』
幸いにインクは私も買ったばかりだし、漫研の冊子原稿はやっと仕上げたばかりだから、ペン入れ等はまだまだ先の話だから。
部屋に上がり新品のインクが入った箱を渡すと喜んで『原稿上がったらケーキ食べにきてね』と良い帰っていった。
2~3日後の夕方藤永さんが新品のインクを持ってきてこう言った。
『明日、土曜日だしちょうど良いかと思って。ケーキ買うから学校終わったら来てね』とお誘いに。
何故?ケーキ?
『あたし原稿上げたら自分にご褒美ケーキ買ってんの』…だそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!